■ 刑事さんは突然に パート2
雑記現場に着くなり刑事さんは無駄のない動きをされ、写真を数枚撮影した。
『ありがとうございます。これで結構です』
丁寧な物腰で刑事さんからそう言われ、再び車中の人となる。
ようやく、少し和んだような雰囲気となり、思い切って『尋問』してみた。
『昨夜は別の容疑者宅の張込で、夜通し車中にいた』
『1カ月の休みは1日位、2日あれば良い方』
『公務員だという感覚で警察に入った人間は辞めていく』
『この仕事自体が好きだ、という思いがないと続けられない』
より一層と目が覚めるような言葉が車内で重く響き、頷くほかはない。
このような刑事さんが日本の、地域の安全を守ってくれて信じてやまない。
事務所に戻ったら、お茶でもお飲みになりませんか?
これが、私の最後の『尋問』となってしまった。
これに対して .....
『いや、すぐ署に戻らないといけないのです』と、即座に言い切った。
刑事さんの行動力に感嘆した。
会社の駐車場で刑事さんは颯爽と車を乗り換え、西の方角へハンドルを切る。
通行人には滑稽な姿に見えたかもしれない.....
我を忘れたのか、刑事さんの車が見えなくなるまでブンブンと手を振っていた。
その時、沈みゆく太陽が映えたのは幻想だったのか。
これだけは、少しオーバーな表現なのかもしれない。