■ 法人に対する契約解除通知の前に
雑記10月10日 火曜日
5年前より事業用の建物賃貸借契約で貸付している借主がいる。
その建物は6年前、当社が不動産競売で落札した。
今回、その建物(店舗)と敷地が区画整理事業による移転のため、
来年の夏までに明け渡しを要することになっている。
当時の契約締結の際は特約条項にその旨を当然に記載していた。
物件にいる借主の支配人に対して下話済みで、承知の上での解約となり
そうであったが、気になる点が1点だけあった。
その借主さんの賃料振込名義人が、契約当時の名義と違っていた事だ。
これは、無断転貸では? というような意見も出たが、関連あるように思えた。
そこで、まず契約当時の法人名義についての法人登記記録を再度
取得するよう、担当に依頼した。 本店は関西の方にあり、物件ではない。
借主にヒアリングしましょうか? という意見も出たが、
貸主としての調査能力を疑われてしまう場合があり、不利にもなる。
今日になって、契約当時の法人では登記情報が取れないという報告も入った。
私自身も帝国データバンクで照会しても、浮上して来ない。
もう少し慣れた担当に調査を続行させた所、法人名義を変更している事が
分かり、振込先名義人とも一致したから安堵した。
これでようやく借主に余計な事を聞かずに、正式な所在と名称を明記して
契約解除通知を出す事が出来る。抹消された法人名義で出したら失礼だった。
契約の解除通知たるものは特に慎重に、最新の借主の登記記録の入手を
経て通知する。 法人の場合、事務所移転や代表者が契約時とは違い、
変更になっているケースが多い。知らせてくれる借主は少ないものだ。