■捨てる、ということ
雑記物が溢れる時代となって久しい。
収納スペースの提供、という事業を担当していながら
このような事を書くには多少の憚りもある。
一昔前に『捨てる!技術』という著書がベストセラーになったり、
最近では片付けコンサルタントという名称のコンサルまで登場している。
つまり、中々物が捨てられず悩んでいる?
そのような方向けのノウハウ本も多数出版されて、結構売れている。
物を捨てるのも、一つの技術になったのか、
捨てるかどうか迷った際には、トキメキを感じなければ捨てなさい、という事らしい。
あるお笑い芸人の話ではないけれど、とにかく家中の物を捨てに捨てて、
捨てまくって、気が付いたら生活が出来なくなった、という話もある。
自分自身も片付け本のベストセラーを読み始めて、部屋の中の物を捨て始めた。
捨てるのも確かに迷うし、意外と疲れる事が分かる。 捨てない方が確かに楽なのだ。
捨てながら、何故捨てる事が必要なのか?
最初は分からないまま捨てていた。
ところが、全く関係のない分野の本の中に合点がいく記述を見つけた。
物を捨てるという事は、そこに新たに空間『スペース』を作るためだと言う。
新たな空間を作り、そこに新たな物を入れるためだと。
そして、新たに入るのは物だけの話ではなく、情報も人間関係も含まれるとい解釈なのだ。
確かに、時間も空間も限られている訳だから、
新たに捨てるという行為をしないと、入り込む余地が無くなってしまう。
人間関係においてもまた、付き合う事が出来る人数は限られている事も分かる。
長年取引をしたお客様と別れても、暫くすると新しいお客様が現れて来るという事もある。
捨てる、という行為も奥深いものだ。